そういえば、このフェリーに乗れたのも、あるひとのお陰だった。夕方、宮崎駅で港行きのバスを待っていた。ベンチはサラリーマンの荷物と、座ってるおばあちゃんでいっぱい。月夜のみみずく、疲れてたので、隙間に荷物を置くと、おばあちゃんが気づいて詰めてくれた。
座る月夜のみみずく。なにげない会話が始まった。お互いの人生について、自分の旅のことなど。
ニューモラルという小さな冊子を三冊もらった。娘が編集に携わっているらしい。お返しに、なにかわたそうと思い、けれどもなにもないので屋久島で拾ったきれいな貝をプレゼントした。
……バスがきた。乗ろうとしたみみずく、これは行き先の違うバスだった。「よく気をつけなきゃだめよ」、とおばあちゃんが引き止めくたおかげで、こうして無事、フェリーに乗れたのだった。
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