今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

小さくなった彼女

2010年12月28日

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今日は、ユニット長の運転で、同じ系列の特養にいった。「ちょっと寄ってコーヒーのましてもらおうぜ」ということで。




足腰、元気なばあちゃん2人と入ったばっかりのばあちゃん乗せて。



そこには、半年前、うちから引っ越した、みんなからみっちゃんとよばれる、小さなばあちゃんがいた。のってきた車は夕方の送迎に使うデイサービスの借り物なので、時間がかなり押していたが、ユニット長がいいよ!といってくれたので、逢いにいった。



半年振りにあった彼女は、特養の広いフロアで半分泣いていた。徘徊する彼女は転んだばっかりなのだという。



下を向いている彼女に近づいて、いつかのように英語で話しかける。









「Hello? How are you?」



「…… 」



「アーユーオッケー? 大丈夫?」



「イエース」(蚊のなくような声で)



「よかったねみっちゃん、きれいなとこすんでるね」



「うん…」







驚いたのは、一緒にきたばあちゃんが、彼女のことを思い出し、名前をよんで、手を握って、泣き出したのである。もう忘れているのではと思っていた。





ユニット長が、俺のこと覚えてる?ときくと



「覚えてるよ」。







聞き取れないくらいの小さな声でそういうんだ。





たくさんの老人の中で埋もれそうになっているけれど、ちゃんと僕はあなたのことを知っています。