夕方出勤すると、ユニ長から訃報を聞く。
ご入居者が亡くなられた。
みみずくのユニットではなかったが、一緒に数ヶ月暮らしたばあちゃん。
天ぷらが好物で、食後、「まだ食べてないぃぃぃ」という声が頭から離れない。
よく僕は、ぽかぽか殴られた。力の入らないその手でめいっぱい。
素敵な人だった。
天寿をまっとうされたにちがいない。
どうぞ安らかに。
今宵も月夜に導かれ、
あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。
いったいどこへ行き着くのやら。
そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録
2010年8月29日
2010年8月26日
たまあにくる、なんにもない一日。
前日までの仕事で疲れきって、昼過ぎまで寝てしまった休日の夜、きまってあいつはやってくる。
極度の憂鬱状態。
時間は止まり、世界のすべてが色あせ、いままで生きてきた年数のすべてが無駄であったように思われる。
ここ最近、頑張り過ぎたのだ。能力以上に働いたのだ。
病院の世話になるまえに、ちょっとここいらで怠けようぜ。
明日も雑用で呼ばれ休日出勤しちゃうけど。
2010年8月24日
ってなにか考えてる。
愛情
その人のため、ではなく、自分がその人と接している時間が尊く思えるような気持ち。
寛容
善悪社会規範ににとらわれず、その方のもつすべての世界を受け止めること。
忍耐
常に成果を待ちつづけ、よりよいケアを模索しつづけること。
使命感
自分にしかできない、と思えるくらいの仕事をすること。
観察力
どんな小さな表情やしぐさにも、その方の意思を汲み取れること。
創造性
形にとらわれない自由な発想で、常に最先端の介護福祉を実践すること。
2010年8月19日
山梨から帰ってきて、休みなく仕事の日常に戻って、また一人になっちゃうなと思っていたら、職場の仲間に、飲み会に誘ってもらった。勤務時間がばらばらなので、一般の会社とは違って、なかなか飲み会は出来ない。今日のことも、数ヶ月前から話にでていてやっと実現したという感じで。
職場の周りは住宅地で、居酒屋なんてなく、でも唯一、お好み焼き屋さんがあった。今回は、おばちゃんぬき(なんとも失礼な言い方ですね)、やっぱりそれはそれで、面白い。いろんな世代の人と話すことは楽しいし、ためにはなるけれど、やっぱり、年齢が近いと共感できることも増えてくる。
二次会のカラオケなんて、大学でこそ、しょっちゅうだったけれど、こうして一人になってからは、初めてのことだった。
仕事場では知らない、同僚の一面を少しだけ知る。
それぞれが、それぞれで、いままで生きてきて、明日のために生きている。
そんな当たり前のことを知れただけで、なんだか励まされてしまった。
要するに、こんなことを感じるくらい、久しぶりの飲み会ということだった。
2010年8月12日
明日一年ぶりのキャンプに参加。みずがきキャンプ。
前日の晩、応急セットをごちゃごちゃ整理してみたり、キャンプインストラクターの冊子を眺めたり…
早朝に横浜から山梨へむかうけれど、遅刻しないだろうか?!
先日の採用試験の遅刻が、完全にトラウマになっている。ああ。
2010年8月11日
退院されホームにもどられたあるかたは、目に見えて身体も精神も劣ろえてしまった。
普通食を自立で召し上がれ、不安定ながらも自立歩行されていた方が、数晩にしてミキサーの食事介助と車いす移動に。
一週間、多くの自立機能が失われ、そしてそれは、みみずくが 初めて目にする 階段状の 低下だった。少なからず衝撃的な……
今日の夕刻、みみずくは、退院のさいたちあったご家族からの電話をうけとった。
……その後 一晩経ちましたかいかがですか? ミキサー食はどうでしたか……
まず、退院後の一夜目の長い夜にあった、事実をありのままに伝えた。
実は、電話中、経験の浅いみみずくは、今後どういう生活の変化がその方に起こるのか予測がついていなかった。
電話を切るさい、余裕がなくて考えていなかったことばが、思わず口から出た。
……でも徐々に穏やかな生活を取り戻していきますし、スタッフは24時間、全力で支援を致しますから、ご安心下さい。大丈夫ですよ。大丈夫です。
一番、伝えておくべきことを、言えた。ああ、よかった。このことばを無意識が忘れていなくて。
2010年8月9日
2010年8月4日
今日は採用試験の面接と模擬授業の日であった。
そして僕は・・・・・・今年の試験を棒に振ってしまった。
昨晩、勤務が終わって帰宅したのが8時、それから、残った授業の準備や提出物の最終確認をはじめ、結局、朝までかかった。どうして、いつも早く、終わらせておけないのか。
七時に家を出た。京浜急行線の駅まで原付、逗子経由で大船、それから湘南モノレールに乗って、そのあたりで時間が迫っているのに気がついた……最後は知らない街の住宅地を走り・・・・・・
結果的に着いたのは集合時間の8時15分を3分すぎ。
女性の会場係の人は、急いで校舎に入れてくれようとした。
もう一人の男性の会場係の人はそれをみてこういった。
「外の受験生に公平にしないといけませんから申し訳ありませんがお帰りください」
「……」
試験で落とされるならまだしも、それ以前に社会人として当たり前のことができなかった・・・・・・!
もう、恥ずかしい以上に自分が情けなくて。
24歳の第一日目の出来事だった。