今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

桜の花の咲く頃に

2011年4月22日

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お元気ですか。
前にお手紙を書いてから、だいぶ季節が通り過ぎてしまいました。
家の裏手にある小さな山を見たり、今日のように穏やかな天気の空を見上げるたび、向こうで暮らしていた日々の事を思い出したりします。

御無沙汰していました。
おかげさまで私は元気です。

仕事だけの毎日で、体も心も疲れはて帰ってくると、無性に信州に帰りたくなる気がします。また向こうで、親しい友だちに囲まれて、夢に向かって切磋琢磨したり、時には挫折したりと、みんなが励ましあって一生懸命だったあの時が、どれほど貴重な時間だったか・・・残った仲間も一人二人と寮を去り、今年の3月、最後の同期が卒寮したようです。

近況をお知らせします。
自分は、卒業してから、ずっと非常勤で勤めていた社会福祉法人に、昨年の秋から正規で働くことになりました。教員免許は当分の間、押入れにしまっておくことになりそうです。


いままでは、グループホームといって、認知症の方を専門にした小さな職場で働いていましたが、4月からは、特養老人ホームに異動になりました。未知の職場で、こなさなくてはいけない最低限の業務をこなすだけでいまは精一杯ですが、これからもっと経験をつんで、その方の人生の最期を輝かせられる太陽のような介護士になりたいと考えています。自分が老いる日に備えて。

教育が朝の仕事だとしたら、介護は夕方の仕事かもしれません。それも時計の針は3時をとうに過ぎ、赤い西日が山肌を照らすような時間。時間は違うけれども、そんな人生のある時間に、直接人に関わる仕事という点では、似ているのかもしれません。

* * *

これから、本格的な夏が来て、農家はいっそう忙しくなりますね。

地震があって、食べ物のありがたさを痛感しています。日本の飽食は当たり前ではなく、人間によって作られたもので、それを左右するのは自然であり、神であり、揺るぎやすいものなのだと。日々の食卓を支える農家の方に、支えられていることを思います。

横浜でも、わりと鎌倉に近い田舎なので、近所に小さな農家があります。去年は職場に庭があったので入居者と一緒に夏野菜を育てましたが、今年は畑を貸し出しているので、夏に向けて自分用に野菜を育ててみようと思います。猫の額の土地ですが。

同じ福祉業界で勤めあげ、退職後に電気もガスも水道もない山でヤギを飼いつつ自給自足を目指している知人がいます。素人には難しいことですが、でもその方は、本当に楽しそうです。

取り留めないことをたくさん書いてしまいましたが、皆さんにお世話になったこと、それが、自分の支えになっていて、いつも心の中にあることをお伝えしたかったので、久しぶりに手紙を書きました。

お二人ともどうかご自愛ください。そしてとりあえずノブキは、まあさえないですが相変わらずなんとかやっているようだということを、彼女とハナによろしくお伝え下さい。

それでは、また。

東朝比奈森

2011年4月11日

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先月までの職場に挨拶しにいった、裏山から竹笛の音が。

音にいざなわれるまま、一度も入ったことのない経路から東朝比奈の森へ。

整然と林立する杉林、やわらかい土の感触、参道からはずれ笛を吹く孤高の老人。

森の中に入ると、ここが街中とは思えない。

信州の深い森を思い出す。どこかが違うけれど。

新しい職場 特別養護老人ホーム

2011年4月2日

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常勤になったため、新年度の1日から、新しい職場。

トンネルを1つ越えた、一年前にできた特養だ。

しかしこの特養、みみずくのイメージを覆した。

1 “地域密着型”特養 9人9人9人+ショートステイ+地域ケアプラザ

2 上司が同い年 スタッフは経験1、2年の新入社員が9割

3 管理者着任予定は夏以降

4 夜勤一人で2ユニット

5 フロアに、FMを流す。

6 TVで流れるのはMステ。

グループホームでは考えられない革命的事象だ。

要するに、ここは法人に入職した正社員だけの教育機関だった。

しかししかし教育する人材がいなかった。ほぼ素人だけで手探りの介護。それで現場が回っているというのは驚異だ。

しかも割と利用者は落ち着いている。

認知がないためか? それとも慣れているのか? そういえばこれまで認知症以外の老人と接してこなかった。 

わからないことが、山ほどある。