今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

更新できない理由

2010年10月30日

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以前は毎日のように更新していたこのブログ。


日常生活で、ふと心にとまった出来事や、ささやかな感動や、ときにはみみずくの、不安定な感情を書き連ねることで、自分を客体化し、精神の安定をはかってきた。実際どれほと、気が楽になったことか。


いままでは、よほどプライベートなことを除き、みみずくの心の恥部も包み隠さずさらけだすことができていた。だからこそ書いて気持ちが楽になれた。

けれども最近、自分のなかで、他人には共有できない秘密が心の中で肥大してきている。


秘密というと、なにかやましい、罪深い感じがする。けれどもコミュニケーションをはかるとき己の本心をときに隠すことが、円滑な人間関係を育むことになるのは誰でも経験のあること。


ようするに、みみずくも狡猾になったものだ。


そしてそれは、自らを生きづらくしている気がする。


素直になりたい。誰にも隠しごとをしたくない。
………だから辞めようとも思ったが、もうちょっとブログを続けてみようと思った。

クサギ 神秘の青

2010年10月18日

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草木染めで唯一といっていい、青に染める神秘の植物。


職場の裏庭にて群生を確認。

小倉百人一首

2010年10月3日

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テーブルに広げた。

最後に正月の暖かい家族の呼吸と温もりをすってから、どれくらい暗い倉庫にしまわれていたのだろう。

描かれている貴族やお姫さま、ぼうす、みんな疲れているように見えた。
もともと、この百人一首は、さるご入居が自宅から取り寄せたものだった。しかし、

一度も使われることなく、いまや、もう持ち主の認知の度合いも麻痺も進んでしまった。

それを、ふと取りだし、昼食後の不穏な、そしてけだるい雰囲気のリビングに持ち出した。

物には命が吹き込まれている。

生きているということは、それが、世界に影響を与えるということだ。
だから生きている。


花の色は・・・適当にとった札の、上の句を読む。小野小町の有名な句……

すると…

…うつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

次々と下の句が……、一分前の短期記憶すら怪しいお年寄りの口に、流れるように……

それは魔法だった。

いにしえの歌人が残した魂の結晶。

家族や子どもたちに囲まれた、正月のひと時の幸せな記憶は時空を越えて…

テーブルを囲む人たちを、ほんわかと明るく照らしだした。