いつも四匹で連れ立って遊びに来る。
手を伸ばすと引っかかれる。決して体に触れさせてくれない。
窓をあけといたら、一匹が入ってきた。好奇心旺盛というか。
窓枠のうえを歩いて、鯖カンを狙っている。
で、しばらく黙ってみていたけれど、ちょっと意地悪してみたくなった。
まどをぴしゃりと閉めてみる。
すると、気が狂ったみたいになって鳴くんだ。
あんな悲しそうな鳴き声初めて聞いた。
外にでようとして、窓をがりがりやって。
こっちもびっくりししてしまって、急いで窓をあけた。
今宵も月夜に導かれ、
あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。
いったいどこへ行き着くのやら。
そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録
2007年12月31日
起きたら夜。外はうっすらと雪。
寮にひとかげは少なく、しんとしてる。
郵便もなく、電話もなくメールもなく、 部屋にこもっていると、
このまま引きこもれちゃうな、なんて思ったりする。
昨晩は事務室で課題でもすすめよっと思っていたら、
バイト帰りの先輩と朝まで話しこんでしまった。
人と話すと、知らなきゃいいことも知りたくなり、知ってしまう。
知らなければ、楽なことなんて、たくさんある。
たいてい人が秘密にしていたがったことは、
人づてでも聞かないほうがいい。
けれど、無知がために、予期せず相手を傷つけてしまうこともあるだろう。
最悪の事態は避けた、と思う。
なにを書いてンだかわかんないよね。ごめん。
だれに向けてるのかもわかんないよな、すまん。
自分でもよくわかんないや。
ああ、年末はことに気が重い。
2007年12月25日
夕方、今年最後の家庭教師。
クリスマスプレゼントといって、問題集を渡せば、嫌がるかなと思ったら、
その子、心底、喜んでた。勉強、好きなんだね。
終わり際に、プレゼント、置いてあった? といったら、
本当にうれしそうに「あったー!」って。
しかもだよ、サンタクロースがいるって信じている(笑)
以下、その子との問答。
月夜のみみずく:「どうやって壁を抜けるんだろうね? 不思議だよねー」
子:「うーん光みたいな速さで、移動するから、壁も抜けるんだよ」
月夜のみみずく:「サンタクロースってどんな顔してるんだろう。最近は若い人なのかなぁ」
子:「やさししそうな髭のおじいさんだよ」
月夜のみみずく:「お母さんも不思議がってた?」
子:「あんまり触れなかった。早く寝なさいって。」
月夜のみみずく:「僕んところは最近こないんだよなぁ。寮ではいい子にしてるんだけど」
子:「だって大人だもん(笑)」
もちろん、帰り際に忘れてたふりをして姉妹にプレゼント渡しました。 ピンクとライトブルーのリーフノート。それぞれ同じ色のスヌーピーのファイルつき。
月夜のみみずく:「近所のサンタクロースにわたしてって頼まれたんだぁ」
子:「ねえ、どんな人だった???」
理科は教えても、夢はこわさない。
図書館でうら若き高校生に囲まれ、勉強していたら、大学受験の頃を思い出した。 あの頃と違うのは、ぼんやりと今晩の夕飯の献立を考えていること。
早々に切り上げて大学裏のスーパーに向かおうとしていると、友達からメール。友人の実家で夕飯をご馳走になることに。
賑やかな食卓を囲んだのは本当に久しぶりで、 ・・・ああ友だちって、家族って、ありがたいなとしみじみ考えてしまった。
* * *
人生ってなんだぃ? と最近馬鹿みたいな顔をして考える。実に単純な疑問だけど。 僕はいま、一人で暮らし。来年の夏、教採に受かってもそうでなくても、 再来年の春には、寮を出て、多分また一人暮らしをはじめるだろう。 仕事をしながら。おそらくは相当の間。
容易に自分の将来が予測できてしまう。単調に、階段が続いているように。
大学三年の年末。なんでもないようなこの時期。
ひたすら遊んでいる人もいる。
就活のため、さまざまな企業を見て廻る人もいる。
まだ教師になると決めたわけではないと、 青年海外協力隊に入って二年間経験を積もうと計画している人もいる。
* * *
窓ぎわに毎晩、遊びに来ていた猫も、ここ数日姿をみせない。
この時期、寮にこもって燻ってるのは、どうも自分だけらしい。
2007年12月22日
2007年12月11日
今日はやる気がまるでないので、寮にこもって読書。
『イエスの生涯』遠藤周作を読んだ。
英雄的でもなく、美しくもなく、誤解と嘲笑、裏切りとともに見棄てられ、斃れたイエス。この世のありとあらゆる辛苦を一身に背負い、ゴルゴタの岡で死ななければならなかったイエス。その生涯を綴った一冊。重い。重たすぎる。