今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

永決の朝から二カ月

2008年6月14日

 

◆昨晩は朝から夕方まで外出して、疲れて早めに寝てしまい、いまさっき起きた。インターホンがなる夢(もしくは幻聴)と、喘息(もしくは過呼吸)の軽い発作とともに。それはそうと、昨日1日は長く感じられ、月夜のみみずくの知らない世界を知って、衝撃をうけた。

朝、区役所での「はまべの会」に参加。知的障害をもつ方たちと並び、講師の指導のもと、革細工を制作(写真)する。みみずくも知的障害と思われたのか、一から丁寧に教えてくださる。(じつは革細工はさきの入院時、作業療法で体験していた) 金型をつかって、革に模様を打ち込んでいくのだが、それだけでは芸がないと思い、金型を巧みに使い鳥と猫の刻印をうち、さらに、通常単色で色づけにするところを、黄〜緑〜青と、グラデーションに染めあげたら、区役所の若い職員が、驚いていた。……これまで障害をもつ人を支援する機会は何度もあった。それだけに、まさか自分が支援される側になるなんて思いもしなかった……障害をもつ人の立場になって考えるのではなく、障害をもつ人として見られ、支援をうけるのだ。こんな体験はそうはできない、プラス思考で考え、けれども複雑な気持ちで区役所を出た。


午後は生活支援センターへ。おとといと同じ雑居ビルの二階。遅くきたのにまたいちばんのりだった。絵を描きながら、いろんな人と話す。なかには大卒の人もあれば、みみずくの知らない宗教論、芸術論を語る人もある。午前中と接した人たちとはまた異なり、ここは精神障害をもつ人たちの憩いの場で、ギャップにまた複雑な気持ちになる。


◆「自分が障害者」になった、という事実に戸惑っているのは、これまでみみずくの心に、健常者と障害者を差別する気持ちが隠れていた証拠かもしれない。またひとつ自分の知らない自分をみつけた。夕方おそくまでいろんな境遇の方たちと話し帰宅。


◆自分の知らなかった広大な世界から帰ってきて、呆けていたら、昨年亡くなった小学校時代の級友の母が、自宅を訪れる。入院前、自分で編集し、プレゼントしたMDのお礼として、なんと"相田みつを"の絵はがきとクリアファイルを届けにきてくださったのだ。(ああ……みみずくを助けてくれている。亡くなった旧友や先輩、ご先祖様が)……そんな気がした。


◆今日は14日。くしくも、先輩が旅立ったのはちょうど2ヶ月前の、今時分だ。天国から、残された人たちを、見守ってくれているのだろうか。

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