今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

生活に追われず

2008年10月1日

 

明け方の大気は夜の雨につつまれ、窓の外から、虫たちの鳴き声が響き、静けさを増している。北信州の秋はこれからますます深まっていく。短い紅葉の時期が過ぎれば、すぐに四度目の凍てつく白い季節が訪れる。


今日から大学がはじまるというのに、寮の中はそんな気配がしない。たしかに今日からだっただろか? 自分が大学生だったということが、なんだか思いだせない。大学生と自称することすら、何もかも忘れてしまったいま、とても恥ずかしい。「とりあえず、まずは図書館にいけばいいのか?」


卒業したあと臨時採用の教師をやる自信がなくなってきた。自分が何も知らず、未来に希望をもたず、理想ももたず、漠然とした価値観だけをもって、どうして子どもたちの前に立つことができるだろう? 「生活のため」だけに教師になることはできない。みみずくには、まだ、多くのことが欠けている。


信念をもてるようになる為には、あと、どこへ行き、何をすればいいのだろうか。それはどんな書物にも書いていないし、誰も教えてくれない。


きっと、生活にそこまで追われていないから、みみずくはこんなことを考えられるんだろう。それは幸せな悩みなのかもしれない。

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