部屋の奥まで、冬の日差しがとどく。
漠然とした不安。
高校生のときに買った、大江健三郎の本をひらく。知識人のことばは、平易に書かれていても理解できない。
なにもする気がおきない。
鏡をみる。生気のない醜い顔。
ウクレレをかき鳴らしてみる。陽気なはずの楽器がどことなく陰鬱な音をたてる。
窓をみる。雲が東西方向にがゆっくり流れている。
遠くで犬の吠える声。部活動をやってる声。天井のボイラー管を伝わってかすかに機械音。
鳥が少しなく。風がそよぐ音も。
時間は刻一刻とすぎ、日は傾いてゆく。広大な時間の流れに、身もこころも溶けてしまいそう。そうだ、溶けてしまえばいいのに。
何か危機的なことが、こうしているあいだも、じわりじわりと迫ってくるような気がする……
タバコをのむ。悪しき習慣。しかし結局人はだれしも慢性的に死にむかう病にかかっているともいえる。
だからどうというわけでもないのだけど。
昼だけど寝ようか。それがいまできるもっともうまい時間の過ごし方。
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