旭山の紅葉が燃えるよう。ここに来たばかりのとき、あの中腹まで登ったっけ。
明け方、あの山に月が沈むころ、あそこから鹿らしき動物の鳴き声が聴こえる。時々、フクロウか、ミミズクの鳴き声も。
さすがにそんな時間は寮もひっそりしていて、夜更かし好きの彼らに親しみを覚えたりする。
千年まえもあの山があったように、千年たっても、あの山も空も、月も星も、きっといまとたいして変わりはしないだろう。あと千回、木々が赤や黄色に染まるあいだ、人間は、この山の麓で、目まぐるしく、現れては消えていく。
そのなかにはきっと一人くらい、あの紅葉をみて同じことに思いを馳せる人もあるかもしれない。
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