よれよれのスーツをきて、寝ぼけ眼で県民文化会館へ。
あっというまに卒業してしまった。なんの感慨もない。帰りに友達とラーメンを食べて、学生生活のすべてはあっけなく終わった。
希望もなく、下を向きながら晴れ姿の人ごみをかきわけて歩いている自分を、寂しいと思った。
もうなにも引き取めるものはない。行き先のわからないまま、とにかく部屋の片付けにとりかかる。目の前のやらなくちゃいけないことしか、先が見えない。
縁起でもないが、遺品整理をしているような気持ちである。空虚……心のなかに、ぽっかりと穴があいたまま、黙々と荷物を片付けてる。
そうしているうちに、いつしか目標を見失っている自分に気づく。
そんな卒業の日だった。
このままじゃいけないと思っている。
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