今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

北の自動車学校①

2009年3月4日

 


昼過ぎ、盛岡駅に教習生と思しき若者が十数人集まってきた。

バスに乗り高速で、現地へ。


後ろのほうに座った男子高校生1人と、女子大生3人と少しだけ仲良くなった。人見知りのみみずく・・・しばらく話しかけるのをためらっていたが、恐る恐る話しかけてみたら、ごく普通に話せた。みな関東の人である。
勇気の一歩は出会いの一歩。


何人か教官、とくに年配の教官には、ことばに東北なまりがあり、ここが関東でも信州でもない、遠いところのように思われた。


驚いたことに、なんと初日から、しかも午後遅く着いたのにもかかわらず、技能教習が二コマもあった。三月に導入したばかりの真っ赤なマツダ車、車種は不明。ウィンカーがカブのそれと上下が真逆で、なんども間違えた。


教官は、毎回かわる。というより、記録簿のようなものを出して、それを教官が適当に拾っていくらしい。だから、だれにあたるかわからなかった。


一人目は遠藤周作に似た、東北なまりのあるおじさんだった。はじめずっと黒部渓谷の話(それも、新幹線の高さについてのしょうもない話)をしていたが、後から考えてみれば、それが、緊張を和らげるための策であったようだ。


案外うまくカーブを描けて、油断していて、次の若い教官にあたった。ブレーキを早めにいれることと、遠くを見ることを、何十回も繰り返し、やさしいようで、言葉のうらに、みみずくは多少の苛立ちを感じていて、実に恐縮であった。恐縮すればするほど、からだは縮こまり、うまくいかないものである。結局脱輪して、当初の自信は、根拠のないものであることが判明してしまった。しかしまだ初日である。


・・・原付は無事故無違反だけど、車の運転はどうなることやら。


合宿は結構、きつきつのスケジュールである。一つでも授業を飛ばせば、数日卒業が遅れることになる。明日は七時にバスが迎えに来る。


帰りのバスで話した地元の高校生や、一緒に来た4人とは、もう少しすれば仲良くなれるだろう。


一番驚いたのははホテルのボーイさんだった。夕食は、どこでもあるうどんだったが、これはただのうどんではなく名のある料理人がスープを監修しているのだという。しかも食事中に何度もきて、周辺の歴史や、心霊スポットの話をしてしてくれた。とにかくこんな面白いボーイさんは始めてでった。


なんでも、この近くに、日本版のなぞめいたピラミッドもあるという。


みみずくは、もし宇宙人にあえるなら、別に免許はいらないと思った。

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