実習一週目はかなり、苦しいものとなった。授業も失敗すれば、子どもたちとうまく心を通わすこともできず、自分と他人の作業の境い目を忘れ、自己管理にも失敗した。
最後の2日間は、寝不足で頭がほとんど働かず、夕方お互いの授業を検討する研究会でも、仲間からつぎつぎに反省があがる中、自分だけ阿呆のように、何を書いているのか、分からないぐしゃぐしゃの授業記録を見つめていた。
自分の「失敗のパターン」にうまい具合にはまってしまった。
目の前に大きな壁が立ちふさがっている……。この壁を乗り越えなければ、僕は教師になれない。それどころか、大学を辞めなければならなくなるかもしれない。 つまるところ、挫折、した。
なんのために、いままで学び、経験してきたんだ? わからない。
なんのために、いままで学び、経験してきたんだ? わからない。
自分は教師になれないんじゃない? 信じられなくなる。
絶対にあきらめないと、誓ったではないか……なのに……
最後の日の下校時に、あまりに混乱していた僕に、担任の先生がこんなことを僕に言ってくださった。
最後の日の下校時に、あまりに混乱していた僕に、担任の先生がこんなことを僕に言ってくださった。
「ひたむきにやればね、大丈夫だから」
とにかく、休もっ。そして驕りをすて、謙虚になって、初心に立ち返ろう。
とにかく、休もっ。そして驕りをすて、謙虚になって、初心に立ち返ろう。
その先はどうしたらいいのか見当もつかないけれど。授業はあと、8つ、ある。
今日は家にこもっていないで、重いからだを引きずって、鬼無里、戸隠へ、旅してきました。
家族づれ、カップル、友達どうし、観光客はにぎやかに奥社へ続く参道を歩いていく。
僕のほうはといえば、ため息ばっかりして。足元ばかりみて。おまけに道に迷ったりして。
まるで人類の責苦をたった一人で背負い込んだような(笑)顔をして。 見られたものじゃない。
・・・・・・ああ・・・・・・いまどきの観光客は犬を連れて歩くのか。
・・・・・・ああ・・・・・・いまどきの観光客は犬を連れて歩くのか。
そのかわいい犬が、僕をみて笑った、気がした。
犬ころ:
「人生、そんなもんだよ、なるようにしてればいいのさ」
月夜のみみずく:
「いやそんなもんじゃない。散歩中に人生を語るなー、犬ころめー。」
……負けるか、くそ。でも、どうしたらいいかまだ、わからない。
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