早朝五時から、毎日、親戚、近所の人、スタッフが交代で、一人の徘徊する入居者につくようになって一ヶ月あまりがたった。みみずくも、月数回、休みの日の早朝に入っている。食事につくまで、この人につきっきりで見守りをする。外を歩き回ったり、事務所で絵を描いたりする。
精神科医の投薬により、暴言暴力はなくなった。夜間もなんとか練るようになった。しかし、早朝目覚め、元気よく歩き回るこの方を、この時間帯夜勤者ひとりではとても見きれない。夜勤者はほかの8人の起床介助、排泄介助、排泄介助から食事の準備まで、短時間でひとりでこなさなくてはならないためだ。なにが起こるかわからないこの職場だが、なにも起こらなくても怒涛の忙しさである。
介護度は3である――もっとも介護度の高さと対応の難しさは関係しない――したがって、この人に適した特別擁護老人ホームに申し込んでも、なかなか入れない。待ち200番台という。
これから冬にかけてますます厳しくなる早朝、ただでさえ交通の便の悪い山の上のグループホームに通ってくれる一般の人はなかなか見つからない。
親戚も、これ以上スタッフの負担が増えることを望んでいない、といって代わりの人は見つからない。
山積する問題は、現場の数人の職員で話し合いを重ね、解決していく。上からの助けを待っていても来ない。
今回の話し合いでは、いい案が見つからなかった。
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