今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

精一杯のことば

2009年10月22日

 

若年性アルツハイマーで介護度は5、うなるばかりで言葉が話せない方の排泄介助をしていた。いつものように。


車椅子でトイレまで行き、そこからトランスして便器にうつすのだが、そのかたは、かろうじて立つ力があった。しかも今朝は珍しく多幸表情を見せていた。


み「○○さん、立てますか」そういっていつも手を引き立ってもらうのだが……


「たてません。」


み「!」


久しぶりのことばにびっくり。


つづいて電話がなった


「電話。」


みみずくはこんなに言葉を聞いて嬉しく思ったことはない。


五年まえは、自由に歩き、毎日でかけ、普通のご飯を食べていたらしい。介助もほとんどいならかった。しかしアルツハイマーの進行が早かった。

たったこの二言をきいただけでみみずくは元気になった。希望が湧いてきた。

0 コメントはこちら: