ごんぎつねが兵十をみていて思う。おれとおんなじ一人ぼっちなんだなあ。
なぜそうおもったの?
クラスの中で、その子だけはひとり、仲間の言う意見に「ちがう」「いやちがう」・・・・・・ごんぎつねの気持ちがまるで自分のことのように分かっている。いや分かっているというよりも知っている。
教師はその子を指名しなかった。なぜなら、いままでそうしたことによって、その子は開きかけた口を閉ざしてしまったから。
でもその子に自分の殻を破る瞬間がこのとききた。 教師が名前を呼んだとと同時にその子は立ち上がって自分の考えを話す。 両親が離婚して、母の帰るのは毎晩遅い。そんな時と同じ気持ち。
それを聞きながら、さりげなく自分もそうだよと答えたりして反応する周りの子たち。
その子、その子を取り巻く子ども、その子の家庭。それらのつながりが見えて、そこに偶然と必然が重なったときに、教師はその子どもと本当の意味で対話ができた。ベテラン20年にしてその先生はやっと自分は教師をやっていいんだと思ったそうだ。
この話を聞いて、僕の道はまだまだ長いと思った。自分には努力も経験もまだないに等しかった。自分が何も知らないことをいつでも自覚していたい。
今宵も月夜に導かれ、
あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。
いったいどこへ行き着くのやら。
そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録
2007年5月8日
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