昨晩、民家の近くで、画家のSさんと、はじめてここにきた会社員のお兄さんと話をしていた。自然と人間について。教育についてなどなど。みみずく、本来ならばいまは採用試験を受けているころだ。それがいま、神様のいたずらが、明かりのない田んぼのなかにいる。不思議だ。
一匹のほたるがこちらへふわりと飛んできた。仲間からはぐれ、新しい水辺を探しているのだろうか。たったいっぴきで。話題は「人間の死」へとむかっていった。この自然を死んだIさんに見せてあげられたらと思うと涙がでてきた。叶わないことだから。
Iさんはほたるの名所、辰野町で亡くなった。精神病院のなかでみみずくは、数日間天国のその人へ手紙を書いた。
「Iさんは辰野のほたるになるのかな?」
夕べ見たいっぴきのほたる、まるでなにかを伝えたかったかのようにあらわれた。ひょっとしたら、と思う。
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