今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

ほたると人の魂

2008年7月6日

 

土日を君津亀山の森で過ごした。ログハウスに使う間伐された杉の木をころで運び出したり、作品に使うため、伐採されたさくらの大木を探しにいったり。二日目は、害獣対策会議のメンバーとシカの罠をかけ講習に出かけ、実際に罠を仕掛けてきた。よいことなのか、わるいことなのか、みみずくにはわからない。国際法で戦争において散弾銃はたしか認められていなかったと思う。それがシカやイノシシなどの野生動物にはいいという。今日も近隣の山で散弾銃を使った猟が行われている。


昨晩、民家の近くで、画家のSさんと、はじめてここにきた会社員のお兄さんと話をしていた。自然と人間について。教育についてなどなど。みみずく、本来ならばいまは採用試験を受けているころだ。それがいま、神様のいたずらが、明かりのない田んぼのなかにいる。不思議だ。


一匹のほたるがこちらへふわりと飛んできた。仲間からはぐれ、新しい水辺を探しているのだろうか。たったいっぴきで。話題は「人間の死」へとむかっていった。この自然を死んだIさんに見せてあげられたらと思うと涙がでてきた。叶わないことだから。


Iさんはほたるの名所、辰野町で亡くなった。精神病院のなかでみみずくは、数日間天国のその人へ手紙を書いた。
「Iさんは辰野のほたるになるのかな?」


夕べ見たいっぴきのほたる、まるでなにかを伝えたかったかのようにあらわれた。ひょっとしたら、と思う。

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