今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

家に閉じこもり

2008年7月1日

 

千葉からの帰り道、東京湾の海中を横断するアクアラインを通った。人間はかくも壮大なものを作る高度な科学技術をもちついには海の下まで人間の領域を広げたのだ。東京湾に浮かぶ人工の島、海ほたるの上にたち、月夜のみみずく、唸る。人間ってなんていう生き物。


しかし、と思う。地球規模で一人ひとりの人間をみてみるとやっぱり、人間もはかない存在にすぎぬ。人間は自然との関係性のなかでしか生きられないのは自明だ。それに気づきはじめたのがいまの時代かも知れない。


そんな偉そうなことをいっているが、千葉から帰って二日間、家に閉じこもってようやく行き着いた結論がこれなのである。君津の森にいたときからずっと、画家のSさんとヒル談義をしていた。(あわよくば、ヒルを寄せつけない素材を開発し特許をとって、活動資金にしようと……) ヒルの生態、性質、繁殖の原因、危険性、駆除法、有効利用の道……しゃくとりむしのようなそれは、地球の生物とは思えなかった。根本の原因は、人間にある。人間がかつてオオカミを殺し、その結果シカが繁殖、シカの蹄に寄生し、こんなにもヒルが増えすぎたのだ。


シカにも、ヒルにも、実はなんの罪もない。人間が自然の領域を犯しすぎたことが過ちだったのに、ヒル研究に夢中になるみみずく、シカを殺せば問題が済むと思っている住民たち。考えてみれば愚かだ。


洞爺湖サミットが今週末開かれ、地球温暖化対策が重要懸案として掲げられている。いつの時代も先が見えないのは同じだが、人類史上もっとも先が見えない時代、そして生き残りをかけた人間の英知が試される時が今なのかもしれない。


夜に先の心配をして考えこむな。生きることはまず大変なことなんだと思っていれば間違いない。亡き祖父はこういっていたのを思いだし、そろそろ薬のんで寝なきゃだ。あー、てめえのことでせいいっぱいなのに、人類の心配までしてたらみみずく、くたばってまう(笑)。

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