今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

憤り

2011年6月5日

 

以下は架空の話し。現実に存在する団体や個人には関係ない架空の話し。


頭部に打撲跡。それは昨日の夕方発見された。原因は不明。


それを家族が知ったのは、今日。家族がこちらにきてから。昨日の発見時に電話一本でも報告をしていれば、今日の顛末はなかった。あのとき、自分はその場にいた。すぐ家族に電話して報告すべきと思った。しかし看護師を含めた話しあいで、明日、来たとにすればいい、となった。だからしなかった。言い訳だ。


今日事実を知った家族は、怒った。いや怒ってはいない。静かに不信の目をむけた。相談のうえ、いますぐ責任者と話しをすることを希望した。当然といえた。自分がサービスを利用する家族ならそう思う。


しかし複数いる責任者とはだれも連絡が取れなかった。施設長をはじめ、最高責任者まで。みな不在留守電。だれにも連絡は取れない。


福祉施設の上長、それは休日だろうが深夜だろうが、連絡をとれないということは許されない。
しかしだれとも連絡はとれなかった。

折り返しの電話。


最高責任者はディズニーランドにいっている?ディズニーランドにいくのは、自由だ。休日の家族サービスをしていけないということはない。


けれどもかえす言葉を失った。あまりにも、火の車の現場とエンターテイメントパークのギャップがありすぎた。


人手不足でここには介護するのは自分ひとりしかいない。なにもない日ですら通常の業務だけで、手一杯の二人シフト。


一緒にいた上長である看護師は、このばに及んで追い撃ちをかけた。悪いんだけど用事があるから定時に帰りたいの。どうしても帰る。飲み会らしい。事態の深刻さを認識していない。


どうかしている。


ふざけんな帰るなとはいえない。かわりにこういうことて、残らせることに成功した。すなわちこの事態は、訴訟まではいかなくても、会社の信用にかかわるかなり深刻な問題に発展する可能性があります。そういうとき、いま現場にいるあなたが、私事で現場を離れていたとなると、あとでまずい立場に立たされるんじゃないですかねぇ?


やっと連絡のついた施設長は、自分は引き継ぎがすんでいないから、話しができない。まえの施設長に連絡してくれ、と。4月の人事異動から、もう二ヶ月たってんじゃねえか!引き継ぎがすんでいないなんて…


家族を三時間またせた。


聞いていたコミュニケーションがとれない家族なんかじゃない。とれないのはこちら施設職員の手落ちだ。クレーマーなんかじゃない。日頃のコミュニケーション不足が、こういうときさらに悪い要因としてマイナスに働く。


事実を述べ、記録をみせ、あたまを下げるしかできなかった。


上は経営には多少脳があるかもしれないが総じてばかである。


辞めたい。


辞めたい。でもまだ辞めない。どこの会社にいったってどんぐりの背くらべ。腐った老人介護施設。


自分は、助けを必要とする眼前の人ために働いているつもりだから。


ばか。

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