今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

生と死のはざま 

2009年9月12日

 

昼、いつものように、x等で一番介護度の高い方の食事介助をしてた。完全ミキサートロミ食。


はじめはいつも通りだった。


しかし次第にいつもと比べ様子がおかしいと気がついた。


なにかがちがう。


体温計を出した。(いま思えば賢明な判断だった)


8度を超えていた。


リーダーに報告。


体温はみるみる上がり8度五分に。サチュレーションも70パーセント台になった。


リーダーは経験からまよわず救急車を要請した。

救急退院は意識を確認するため「手を握ってください」といったが、発話もままならない認知症、それは無理なことだった。


救急車のなかでは40度をこえ、嘔吐もあったらしい。


診断では誤嚥性肺炎…食介にミスはなかったはずなのに……みみずくの行為が、この人を死なせるかも知れない・・・


……思いがよぎる。昨晩となりの棟で一人が肺炎で亡くなられた。


今年で三人目だ。


顔なじみのあった職員は悲しんでいる。みみずくはよくわからなかった。九十を超えての死は、厳かなことではあるが悲しいこととは限らない。ましてやめでたいことでもない。


同じ命でも生きたくても耐えられなくて死んだ、いまはみみずくより年下になってしまった先輩を思う。


あのとき心臓がやぶれるくらいつらく重くて……もし身代わりできたなら、何度も思った。


いい人ほど死んでいく。優しい人から死んでいく。神様みたいな人に限って早く死んでしまう。


これほど無慈悲なことはない。これほど無慈悲なことは……

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