今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

職場で話題になった曲

2009年9月11日

 

樋口了一
「手紙 ~親愛なる子供たちへ~」


年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても

どうかそのまま私のことを理解して欲しい

私が服の上に食べ物をこぼしても 靴紐を結び忘れても

あなたに色んな事を教えたように見守って欲しい

あなたと話す時 同じ話を何度も何度も 繰り返しても

その結末をどうかさえぎらずに聞いて欲しい

あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本の暖かな結末は

いつも同じでも私の心を平和にしてくれた

悲しい事ではないんだ 消え去っていくように見える私の心へと

励ましのまなざしを向けて欲しい

楽しいひとときに 私が思わず下着を濡らしてしまったり

お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい

あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて

いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを

悲しいことではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に

祝福の祈りを捧げて欲しい

いずれ足も弱り 飲み込むことさえ出来なるかも知れない

足も衰えて立ち上がることすら出来なくなったなら

あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように

よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい

私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい

あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど

私を理解して支えてくれる心だけを持っていて欲しい

きっとそれだけでそれだけで 私には勇気がわいてくるのです

あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように

私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい

あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと

あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい

私の子供たちへ

愛する子供たちへ

http://www.youtube.com/watch?v=VIys43kR5S0



「償い」 

作詞・作曲 さだまさし

月末になると ゆうちゃんは薄い給料袋の封も切らずに

必ず横町の角にある郵便局へとび込んでゆくのだった

仲間はそんな彼をみてみんな貯金が趣味のしみったれた奴だと

飲んだ勢いで嘲笑っても 

ゆうちゃんはニコニコ笑うばかり

僕だけが知っているのだ 

彼はここへ来る前にたった一度だけ

たった一度だけ哀しい誤ちを犯してしまったのだ 

配達帰りの雨の夜 横断歩道の人影に ブレーキが間にあわなかった 

彼はその日とても疲れてた  

人殺し あんたを許さないと 彼をののしった 

被害者の奥さんの涙の足元で  

彼はひたすら大声で泣き乍ら 

ただ頭を床にこすりつけるだけだった   

それから彼は人が変わった 

何もかも  忘れて 働いて 働いて  

償いきれるはずもないが せめてもと  

毎月あの人に仕送りをしている 

今日ゆうちゃんが僕の部屋へ 

泣き乍ら走り込んで来た 

しゃくりあげ乍ら 

彼は一通の手紙を抱きしめていた 

それは事件から数えてようやく七年目に初めて 

あの奥さんから初めて彼宛に届いた便り 

「ありがとう あなたの優しい気持ちは とてもよくわかりました

だから どうぞ送金はやめて下さい 

あなたの文字を見る度に  主人を思い出して辛いのです 

あなたの気持ちはわかるけど  

それよりどうかもう あなたご自身の人生をもとに戻してあげて欲しい」   

手紙の中身はどうでもよかった それよりも  償いきれるはずもない 

あの人から  返事が来たのが 

ありがたくて ありがたくて  ありがたくて ありがたくて ありがたくて   

神様って 思わず僕は叫んでいた  

彼は許されたと思っていいのですか  

来月も郵便局へ通うはずの  

やさしい人を許してくれて ありがとう   

人間って哀しいね だってみんなやさしい  

それが傷つけあって かばいあって  

何だかもらい泣きの涙が 

とまらなくて  とまらなくて とまらなくて とまらなくて

http://www.youtube.com/watch?v=7-G1jyF5PF4

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