今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

恐るべき社会の人々

2011年5月4日

 

社会に出て3年目の春。




職場も変わり、規模も人数も増えた会社の中で働いている。

社会福祉法人といえど、その中身は特殊ではあるが会社組織であり、

みみずくのような介護職にも、介護にとどまらず、様々な雑務が加えられる。



そしてその3年目の春に思うことは、仕事が・・・介護という仕事が、人間関係というつまらないもので、ますますやりづらいということだ。はっきりいって、仕事を辞めたい。現実は辞められないのだが。





今日は月一の全職員のミーティングの日。

休日の人間も出てこなければならないが、前の職場グループホームと違うのは勤務時間には該当しないため、給与は出ないという暗黙のルールがあるということ。私服で参加する人がいるのはそのためだ。世間一般で介護の世界、とりわけいまの会社の労働環境がどうかなんて、他の仕事をしていないからわからないけれど、控えめにいっても悪いほうの部類に入るのは確かだと思う。





さて。その会議の議題の一つに、利用者の物品購入における際の領収書の切り方、処理の仕方の説明があった。



簡単に言えば本来事務がやるべき仕事が、人件費をケチっているため、介護職がこなさなければいけないということだ。



その手続きはとても煩雑で、長きに渡って2人の事務職から説明がなされたが、その二人の説明のやりとりに、唖然としてしまった。



これまで勤めていたおばちゃんが、説明しようとする。隣の新しい事務職のおっさんは、話が途中なのに口を挟む。マスクをして、腕組みをしているはげたおっさんである。二人とも違うことを言う。おばちゃんは、男事務の「それはまだ正式に決まっていないことだからと」口を挟むと、おっさんは



「黙って!」



「ちょっと黙れ」



などと強引に自分本位の説明をする。



事務といっても、介護職より地位は高い。組織では幅を利かせている。



学校の授業にたとえれば、二人の教師が生徒の前で意見の相違でけんかしているようなものだ。



直接介護という仕事を一緒にしない人間でさえこうである。



* * *





現場で一緒に勤務する人間にも、やりづらい人間がたくさんいることに、一ヶ月目にして気づき始めた。(Iあるいは自分が他の人にとってやりづらいのかもしれない)



そしてそれが、いま一番の辛い。こんな仕事いつか辞めてしまいたい、と毎晩思う。







絶対負けない、毎朝つぶやいて出勤する。







絶対負けない。







・・・・・・





けれども負けそう。



ある夜勤の日。夜勤は2ユニットを一人朝まで見る。特別養護の9人と、ショートステイの8人との、排泄介助(おむつ交換や転倒リスクの高い人の手引き誘導)、不穏な人への対応、見守り、巡回、日中の様々な記録の取りまとめ集計入力、起床介助などが主な仕事だが、ナースコールは同時に鳴り響き、動態センサーも鳴り響くし、不穏な老人は17人の状況関係なしに罵り、平手打ちを食らわせる。





しかしそれはもうGHで経験したこと。仕事であり、多少あたふたはするが慣れている。





問題なのは朝の早番との引継ぎだった。

一方的な罵声で、引継ぎとはいえないかもしれない。



「まだこれだけしか着替えてないの!」





「さっさとこの机の上の書類かたづけてよ!」



要するに夜勤業務と早番業務の間にある仕事が残っていることを怒った人がいた。自分と同じく異動になってここにきたが、自分と違うのはさまざまな施設を経由した経験豊富らしい人だということ



(弁解するなら以前、その人が夜勤のとき、早番できたみみずくは誰も起床介助をしていなかったが、黙って仕事をこなした)



それにとどまらず、その早番は、みみずくの仕事がまるでぜんぜん終わっておらず、さっさと帰ったように、他の職員にいいふらした。(言い訳なのかもしれないけれど、別の業務で、勤務あと二時間職場にいた。)



その批判の言葉は、別のあまり信頼していないユニット長を通して告げられた



「あなたはコミュニケーションがうまく取れない」というおまけつきで。





いい人なののだ。真面目で。勤務年数は同じ。年も同じ。正社員で入ったか、アルバイトで入ったかの違いで、彼女は自分の上司だった。



コミュニケーションがうまく取れない!?



「前のグループホームがどうだったか知らないけど、ここはここなので」



それは確かにそうだ。郷に入れば郷に従えというのだろう。

しかしおかしいことは山積で、あなたは何のために介護の仕事をしているのか、と思う。



コミュニケーションが取れないといわれてしまった。

そういわれてみると

どんな気持ちがするだろうか。



暗雲が立ち込める。



味方もいるが明らかな味方はいない。



絶対負けない。



自分もまだ足りないところはたくさんある。



それを修正しつつ、



この施設の悪しき慣例を全部ぶっ壊してやる。



たった二年の。それも大卒の新入社員で構成された施設で、(業務だけが仕事で、ボランティアでくる人間は厄介で、それにしては緻密な記録を要求する)たとえ悪く言われても、自分の正しいと思ったことは、遠慮なくさせてもらう。





自分は間違っているだろうか。

0 コメントはこちら: