今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

霧中の精神の片隅で

2010年2月2日

 

今日は北風吹きすさぶ、寒い1日だった。都心でも明日の朝にかけて積雪が予想される……


そんな1日、蒸気と湯気にめがけをくもらせ、たみみずく。風呂当番であった。


「いい加減コンタクトにしねえと……さて今日は…どなたを……」


……一週間入浴を断固拒否したAさん。

目に入るものすべてをいじりつくすBさん。

そして、最早アルツハイマーが進みことばを話せなくなり辛そうなうめき声ばかりあげている半寝たきりのCさん。入浴は機械やリフトなどつかわず、素手で、イスから体を移動させ湯船に浸かっていただく。転倒リスクも高く、一瞬の気のゆるみが命とりになるから必死だ。


さて、いつものようにCさんの入浴介助をしたとき、大発見があった。


それは 童謡を耳元で歌うとその間だけ目をパッチリあけ、うめきが消えるということ! 苦悶の表情が消えること!


しかも確実に反応がある。


大発見したみみずくは、入浴中ずっと、歌っていた。


「しょ、しょ、しょじょじ、しょじょじの庭は、つ、つ、月夜だみなでてこいこい♪」


すると。


ほんの数秒、Cさんは、右手で拍子をとったのだ。

さらにさらに小さな小さな声で「アリガト…」


意志疎通が出来たかもしれないことを、みみずくは嬉しく思った。


以上、最近あったことで一番よかったこと。

0 コメントはこちら: