昔、日本は遠い南の海と空に出ばって、世界を相手に戦争をしていた。
戦後40年以上たってから生まれたみみずくにはそれは、知識であり、実感を伴った体験ではなかった。
しかし最近、認知症高齢者に、あの戦争の存在を感じざるを得なくなってきた。
みみずくの祖母は子どものころ戦争を直に体験した世代だ。グループホームではその祖母より年上、大人として戦争に巻き込まれた年代の人もいる。
一対八。大胆そんな男女比。女性が多いのは、生物学的な要因だけではない。夫を戦争で失い、戦争未亡人として、焼けの原から一家を支えた女の、想像を絶する努力、苦悩。
「助け合って生きてきた」
それだけではあるまい。
「自分」と「家族」が生き残るためには綺麗事だけでは済まされなかったと思う。貪欲さ、浅ましさ、狡さ、生き残るための武器だったのではないか?
配られた均一の茹でトウモロコシが他の人より小さい!と激怒した事のことを前回書いたが、その行為の背後には、いまいったような時代や束縛があるのではないか……
今宵も月夜に導かれ、
あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。
いったいどこへ行き着くのやら。
そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録
2010年7月26日
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2 コメントはこちら:
お久しぶりです。君ヶ崎譲です。
毎日毎日暑い日が続きますネ。この時期になると、どうしても先の戦争のことが頭をよぎりますよネ。戦中戦後を通じて、多くの不条理の中を生き抜いた方々が、今みみずくさんの周りのお年寄りの中にもいらっしゃるのでしょう。その時代に生まれてきてしまった、その時代を生きるしか仕方がなかった人々の運命のようなものを感じますネ。食べものに対する執着も、きっとその人のDNAに刷り込まれているのでしょう。
僕も時々テレビで戦争中の映像を目にすることがあります。無念の中で命を落とした人々のことを思うと、胸が痛みます。でも、僕はそうした映像を見るたびに心でささやきます。「あなた方の犠牲は、決して無駄ではありません。今の日本はあなた方のおかげで、こんなに平穏な社会を築き上げることが出来たのですから」と。
どうか、みみずくさんの周りのお年寄りを大事にしてあげてください。きっと自分の人生を精一杯生き抜いてきた人たちなのですから ....
お久しぶりです。またコメントをいただけて嬉しく思っています。ありがとうございます。
私が仕事で接する御利用者は、どの方も例外なく、人生の大先輩として見習うべきすばらしいものをたくさんもっていらっしゃいます。
記事に書いた「食に対する執着」や「浅ましいさ」は、ほんの一瞬かいまみえたものです。すべてではありません。そして良い悪いは関係なく、すべてを、ヘルパーは受け入れます。(そして社会通念や常識によって、御利用者に裁きを加えることはできない、というのがヘルパーの基本です)
その方の満足するようにとうもろこしを切りなおし、ごめんね小さかったかもしれないねと、さりげなく対応するのは容易なことです。
ですが、お年寄りを大切にするということが、どういうことかはよく考えるとむつかしいものです。
受容することが、一番なのはだれでも知っていますが、受容することで、その方が大きな危険にさらされることもあります。そういう時、私のような新米は、壁にぶつかってしまいます。
職員のほとんどが、最良の介護をしたいと思っています。でも、今日の自分の介護をよしと思ってはいません。
小さな虐待や、身体拘束も、いくらでも見つけられます。また自分がしていた! とあとから気付くこともあります。
あぁ・・・・・このブログはマイナスな部分にばかり目が行ってしまいますね・・・これからは、明るいこともまた、たくさん書いていきたいと思います。
ありがとうございました。
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