今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

介護と演技の関係について

2010年7月15日

 

みみずくのいまの介護は「役者」だ。

例えば……ここは家なんだ という雰囲気を守るために……

「ただいま帰りました」
と出勤をし、
「出かけてきます」
で退社する職員がいてもいいと思う。グループホームはご入居者にとって本当の家なのだから。

しかし……世の中はおそろしいもので、数少ないが、"役者にならない"職員もいる。演技はなく、心から、無条件の愛情を注ぎ、人生の先輩(ご入居者)に対する尊敬を片時も忘れない……
こういう仕事をしている職員には頭が下がる思い。この福祉の仕事の境地なのかもしれない。
さて。

告白するが、みみずくは
あのくそ爺 くそ婆 とこっそり思う場面が、一日数回ある。

認知症のお年寄りは、人間の醜い性質が顕著にあらわれることがある。ときに理不尽で、自己中心で、それは、仮の話として、均等に配られた三時のおやつのトウモロコシに、
「周りに比べて小さいではないか!馬鹿にしとるのかぁ!!!」
と怒鳴ったり拗ねたりするおばあ様がいたりすると、

口には出さぬが、「なにお、このゴーヨク婆が!」、とヒヨッコのみみずくは思う。

けれど、そういう 怒りのエネルギーが、あること自体が素晴らしい、と嬉しそうに語る職員もいる。

そういう考え方かたができることに、みみずくは頭が上がらぬ。

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