今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

愛しい人へ 1・2

2010年4月14日

 

こんばんは。

今日の仕事が終わりました。就職して以来いちばん長い日でもありました。

昨日今日、職場で僕は大きなミスをし、その対応に早朝から追われていましたが、誰一人責める人なく、逆に励まされ、本当に申し訳ない気持ちと、こういう職場で働けていることに感謝しています。

さて、ですけど。あなたと最後に会ってから、早いもので2年が過ぎます。こうしてあっという間に人の一生の時間は過ぎてゆくのでしょうか。それはわからないけれど、僕はなんとか、一人でやっています。これもあなたのおかげです。

こうして手紙を書いているうちにも、親しい友だちからメールが来たりして、筆をとめてしまいます。

僕は前ほど、あなたのことを、そう頻繁には思い出さなくなりました。あなたが消えてからの夏、親しい人にタロット占いをしてもらう機会がありました。そうしたら、、「一人の女性の存在が、あなたに大きな影響を与えている」っていわれてそのとおりだと、びっくりしたものです。でも今は、ときより、あなたを感じ、思い出すくらいです。だからって寂しがらないでね。僕はずっとあなたと一緒にいますから。。

去年の秋に、一人暮らしを再開したんですけど、新しいアパートの一室に、まっさきに飾ったのが寮祭の時の写真です。善光寺の参道を、雑巾がけして、そのあとに「電車ごっこ」をした時のだよ。僕は映っていないけれど、その写真ではあなたは紐で結ばれて、みんなと一緒に笑ってる。茶色のおおきいマフラーをして、両手は前でつないでいる。朝日が、顔を照らしていて
、みんな幸せそうな表情をしていてね。僕の一番好きな写真です。

写真の前においたハイボール、飲んだかな。最近、はやっているらしいよ。僕はすぐ自分のを飲んでしまって、あなたのを飲んでしまうけれど。

あなたがお酒が好きだったかどうか、飲める人だったか、それすらも全然知らないほど、藍さんのこと、知らないんだ。だって一緒に住んでいたけれど、たまにしか話さなかったから。お互い・・・・・・いやあの頃の・・・・・・いまもそうだろうけれど・・・・・・「家族」はみんな夢に向かってまっしぐらだったし。忙しい毎日だったもんね。

僕は、好きな人にしか、手紙やメールをよこさない。僕はあなたが好きでした。あなたにとって最期の大晦日も、一緒に事務室で飲んでいましたよね。そのとき、いうべきいわないべきか迷っていたんです。いまだからいえることだけどね。

そのあと僕は、苦しかったです。信州の自然は、いっせいに芽吹く頃だったけれども。病院に通って、入院して、それが地球上での、僕と君との最期の隔絶。

あなたは死後、お父さんや、僕の前に、何度か形になってあらわれてくれたね。千葉の森の中で、深夜、あなたの話をしていて、きっと蛍になったんだって・・・そうしたら、本当に蛍が一匹、僕の頭の上を通り過ぎていきました。・・・・・・僕は想像します。僕たち人間には想像もできないような、生き物たちに囲まれ慈愛に満ちた美しい世界に生きているのでしょうね。

きっとそうだと思います。

東京は昨日、何十年ぶりの降雪を記録したそうです。これが最後の冬だと思います。これから、あなたの住んでいた信州の高原でも、一気に雪解けが始まるのでしょう。いつか一緒に筍をとりに行った日が懐かしい・・・・・・・あのときは厳しい季節を乗り越えた新緑がみずみずしく輝いていました。世界中が幸せであるような気持ちでした。

そういう僕も、初めての職場で、初めての春を迎えています。小さなグループホーム。なんとか、という感じで、まだまだ頼りない存在ですが、ようやく誰かの支えになれていると実感がわいてきています。

そして、あなたと過ごした日々が、本当にごくわずかなものだけれど、いまの僕を大きく支えてくれてる。ありがとう。

教師になる夢はまだまだ叶えられません。でも、あなたの思いをついで、少しでも今の世界がよいものになるように、小さな喜びを糧にして、働いていこうと思います。

本当にありがとう。

また逢いましょう。いつでも、逢える、のだから。そうどちらかが望めば、ね。

僕たちをそっと見守っていてください。遠からぬ将来そのうちまた逢える日がくるまで。

3 コメントはこちら:

匿名 さんのコメント...

寮に花壇を作ることになったんだけど、どんなの植えたらいいかな?
藍さんの好きな花とのぶきの好きな花を植えたいと思うんだけど

匿名 さんのコメント...

月夜のみみずくさん、
こんばんは。信州では随分といろいろな経験をしたのですネ。かなり辛い思いをしていたようですが、いまではしっかりと人生の記憶の1ページになり、今のみみずくさんの生き方を支えているようだネ。
いつまでも、いつまでもみみずくさんの宝物として大切にしておいてください。

人間の英知を超越したものって、絶対に存在すると僕も信じています。それを神さまと呼ぶのか、仏さまと呼ぶのか、宇宙の摂理なのか、僕には良くわからないけれど、みみずくさんが言っていること、すっごくわかります。

--- 君ヶ崎 譲 ---

Tsukiyo-no-Mimizuku さんのコメント...

お二人とも、コメントありがとうございました。

ぜひ花を咲かせてほしいです。


先輩に恥じないように、といいつつ、実際はへまばかりしているみみずく。それでも今日も見守ってくれている・・・・・・そう感じています。