悪口を書きたい。 ある特定の人の! 仕事の!
こうかくと、たいていの人は眉をひそめる。
だが、自分はいい人間ではないので、悪口を言いたくもなるし、悪態もつきたくなる時がある。
もう、その人の事を、できる限りの醜い言葉で、さんざんけなしてやりたい。反論もできなくなるくらい、いい負かしてやりたい。
それこそ、何のために今まで勉強してきたか? それは、道筋だった完璧な論理と、緻密に練られた感情的な言葉で、その人と戦うためだと思えるくらい。
* * *
争いごとは嫌いだった。
世の中のあらゆることは白黒ではなく。灰色だ。どんな揉め事の原因も、どちらか一方にあるということはない。相手にもあるし、自分にもある。
自分は、いつも先に、自分の非を認め、謝って事を収めようとしていた。
あるいは、その人とは相性がよくないということで、近づかないでやり過ごす人間だった。
今回はもうそんなことは辞めたい。
自分が正しいと思ったこと、考えたことはを貫きとおしたい・・・・・・
* * *
でも、たいていそんなときは、相手もそう思っている。
* * *
どんな嫌で嫌でたまらない相手でも、同じ釜の飯を食らい、おなじ風呂に入り、一緒に飲めば、一週間で分かり合えるのに。
社会に出ると、そうはできない。どうしても敵ができてしまう。
お互い、事情はあるのに。
分かり合えない。それが哀しい。
* * *
翌日。
昨日の話はそれでおしまいのつもりだった。
上司にも今回の件は相談するつもりはなかった。
今日出勤すると・・・相手から自分宛のクレームの電話が・・・
クレームといってもサービス利用者からではなく、いわば協力関係にある側の人だ。
そして電話した上さらに、夕方職場に会いにくるという。僕と、職場の責任者に苦情を言うために。相当、怒っている。
* * *
上司からの事前のアドバイスは、とにかく相手の言うことを聞き、もう一度、謝れとのこと。
事情だとか、正しいとか間違っているとかではない。相手の怒りを買うまでに至った対応がミスであると!
確かにそのとおりかもしれない。
* * *
上司は、握りこぶしを見せた。
「たとえあなたが、ふざけるなこのやろうと思っても、先に自分の否を認め、謝ること」
「この手で何度壁を殴りつけたか」
そういいつつ僕のフォローだけでなく、ちゃんと相手のフォローもしていた。
「たばこ吸ってちょっと話そう」
* * *
昨日まで問題を一人で抱え込んでいた。
今日、問題が悪化した。
でも気持ちを聞いてくれる人が周りにはたくさんいた。
それが嬉しかった。
* * *
相手は、涙ぐみながら(自分にはそう見えた)、呼び出すつもりはなかったといって、帰っていった。
あなたは悪くない。
そう、あなたは悪い人ではないんだ。
また日々の仕事を続ける。
くしくも、今日、特別養護老人ホームへの異動が決まった。
今宵も月夜に導かれ、
あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。
いったいどこへ行き着くのやら。
そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録
2011年2月23日
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