今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

衝突

2011年2月23日

 

悪口を書きたい。 ある特定の人の! 仕事の!

こうかくと、たいていの人は眉をひそめる。

だが、自分はいい人間ではないので、悪口を言いたくもなるし、悪態もつきたくなる時がある。

もう、その人の事を、できる限りの醜い言葉で、さんざんけなしてやりたい。反論もできなくなるくらい、いい負かしてやりたい。

それこそ、何のために今まで勉強してきたか? それは、道筋だった完璧な論理と、緻密に練られた感情的な言葉で、その人と戦うためだと思えるくらい。

* * *
争いごとは嫌いだった。

世の中のあらゆることは白黒ではなく。灰色だ。どんな揉め事の原因も、どちらか一方にあるということはない。相手にもあるし、自分にもある。

自分は、いつも先に、自分の非を認め、謝って事を収めようとしていた。

あるいは、その人とは相性がよくないということで、近づかないでやり過ごす人間だった。

今回はもうそんなことは辞めたい。

自分が正しいと思ったこと、考えたことはを貫きとおしたい・・・・・・

* * *

でも、たいていそんなときは、相手もそう思っている。

* * *
どんな嫌で嫌でたまらない相手でも、同じ釜の飯を食らい、おなじ風呂に入り、一緒に飲めば、一週間で分かり合えるのに。

社会に出ると、そうはできない。どうしても敵ができてしまう。

お互い、事情はあるのに。

分かり合えない。それが哀しい。



* * *

翌日。

昨日の話はそれでおしまいのつもりだった。

上司にも今回の件は相談するつもりはなかった。

今日出勤すると・・・相手から自分宛のクレームの電話が・・・

クレームといってもサービス利用者からではなく、いわば協力関係にある側の人だ。

そして電話した上さらに、夕方職場に会いにくるという。僕と、職場の責任者に苦情を言うために。相当、怒っている。

* * *

上司からの事前のアドバイスは、とにかく相手の言うことを聞き、もう一度、謝れとのこと。

事情だとか、正しいとか間違っているとかではない。相手の怒りを買うまでに至った対応がミスであると!

確かにそのとおりかもしれない。

* * *

上司は、握りこぶしを見せた。

「たとえあなたが、ふざけるなこのやろうと思っても、先に自分の否を認め、謝ること」

「この手で何度壁を殴りつけたか」

そういいつつ僕のフォローだけでなく、ちゃんと相手のフォローもしていた。

「たばこ吸ってちょっと話そう」

* * *

昨日まで問題を一人で抱え込んでいた。

今日、問題が悪化した。

でも気持ちを聞いてくれる人が周りにはたくさんいた。

それが嬉しかった。

* * *
相手は、涙ぐみながら(自分にはそう見えた)、呼び出すつもりはなかったといって、帰っていった。

あなたは悪くない。

そう、あなたは悪い人ではないんだ。

また日々の仕事を続ける。

くしくも、今日、特別養護老人ホームへの異動が決まった。

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