今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

あなたに伝えたいこと

2011年1月22日

 

あなたに伝えたいこと。

いまはもうここにはいないあなたに。そう、あなたに。

私、以外のだれか、といえばいいのかもしれない。そう思えるほど、

だいぶ、時間がたったね。

* * *

あなたに伝えたいこと。

そう今日の晩の満月とおなじように、明け方には誰にも見送られず、消えた、あなたに。

伝えたいことがある。

生きていくことの計り知れない喜びと、哀しみを。
今日この日のささやかな喜びと、哀しみを。

あなたがもっと生きていれば、きっと同じように感じたであろうの数々のことを。

死という言葉をあえていいかえるのなら、あなたは、記憶のすべてを封じ込められ、あるいは封じ込め、人生の最良の日の記憶と、深くそれは深く傷ついた日の記憶を、無意識に再現しながら生きているのだろう。雲のなかで。

* * *

あなたがあなたでなくなる前、私は出会った。

いまのあなたは言葉を失い。感情を失い。人を愛することも愛されることもしない・・・

あなたの家に大切にしまってある、金色の折り紙に書かれた一通の手紙。それがあなたを知る私にとってのすべての手がかり。

* * *

あの日、高原の森の中の、何千年を生きた樹木の傍らで、陽だまりが、あなたの顔を明るく、明るく照らしていた。


気付けば、もうすでに私は、あなたの年を越えてしまいました。
でも、あなたを越えられる日は、いつくるんだろう?

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