あなたに伝えたいこと。
いまはもうここにはいないあなたに。そう、あなたに。
私、以外のだれか、といえばいいのかもしれない。そう思えるほど、
だいぶ、時間がたったね。
* * *
あなたに伝えたいこと。
そう今日の晩の満月とおなじように、明け方には誰にも見送られず、消えた、あなたに。
伝えたいことがある。
生きていくことの計り知れない喜びと、哀しみを。
今日この日のささやかな喜びと、哀しみを。
あなたがもっと生きていれば、きっと同じように感じたであろうの数々のことを。
死という言葉をあえていいかえるのなら、あなたは、記憶のすべてを封じ込められ、あるいは封じ込め、人生の最良の日の記憶と、深くそれは深く傷ついた日の記憶を、無意識に再現しながら生きているのだろう。雲のなかで。
* * *
あなたがあなたでなくなる前、私は出会った。
いまのあなたは言葉を失い。感情を失い。人を愛することも愛されることもしない・・・
あなたの家に大切にしまってある、金色の折り紙に書かれた一通の手紙。それがあなたを知る私にとってのすべての手がかり。
* * *
あの日、高原の森の中の、何千年を生きた樹木の傍らで、陽だまりが、あなたの顔を明るく、明るく照らしていた。
気付けば、もうすでに私は、あなたの年を越えてしまいました。
でも、あなたを越えられる日は、いつくるんだろう?
今宵も月夜に導かれ、
あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。
いったいどこへ行き着くのやら。
そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録
2011年1月22日
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