今宵も月夜に導かれ、

あっちの止まり木へふわり、こっちの止まり木にふわり。

いったいどこへ行き着くのやら。

そんな「月夜のみみずく」の自分のための備忘録

冬の終わり

2007年2月22日

 


  まもなく春がくる。信州での3回目の春。

  はじめの春は、トランクひとつ引きずって、浅間温泉に
下宿した。
次の春、善光寺に近い教育の寮に入ることができた。荷物は軽トラ1台分に増えていた。
  
そしてもうじき3度目の春。寮ではまもなく松本からくる2年生を迎える。

  この寮の始まりはよくわからない。男女別の棟があり、鉄筋コンクリートで5階立て。だいぶ年季がはいっている。去年ボランティアをしていたとき、だいぶ年配の方が偶然私と同じ寮出身だった。なんでもそのころは木造で、近所の人からはバケモノ寮と呼ばれていたとか。40年前ほどだろうか。当時は寮に入居する学生が多く、一部屋に4人の学生がつまっていたらしい。僕はいま、2人部屋に一人で住んでいる。学生自治寮と聞くと、北杜夫の『どくとるマンボウ青春期』を思い出してしまうが、住人は比較的静かだ。とくにこんな春休みの深夜などは、ときおり市街から聞こえてくる救急車の音をのぞけば、あとはひっそりしている。

0 コメントはこちら: